CAD/CAM冠とは?
保険適用の被せ物といえば銀歯を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、近年ではCAD/CAM冠(キャドキャムカン)という被せ物が保険で使用できるようになっています。
CAD/CAM冠とは、レジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材を、コンピューターで設計したデータを基に、機械で削って作り出す白い詰め物です。時間が経つと変色・着色しやすいという問題もありますが、天然歯に近い硬さ、自然な色味が特徴です。銀歯よりも目立ちにくく、金属を使用していないので金属アレルギーの心配もありません。
2024年6月の制度改訂により、CAD/CAM冠を第二大臼歯(7番の歯)、第三大臼歯(8番の歯/親知らず)にも保険適用で使えるようになりました。(一部条件があります)
CAD/CAM冠のメリット・デメリット
保険適用の治療で銀歯しか選択肢がなかった歯を白くできるというのがメリットです。笑ったとき等に見えてしまう奥歯のかぶせ物を少しでも減らせるのは、笑顔の美しさや自信へもつながります。
また、金属アレルギーを起こしたり、金属によって歯肉が黒ずんで見えたりする心配がないというのも大きなメリットです。
CAD/CAM冠のメリット
- 歯に似た白色なので、銀歯に比べて見た目がよい。
- 金属ではないので、金属アレルギーが起こりにくい。
- 保険適用外のセラミックに比べて保険適用なので安価にできる。従来の銀歯が3,500円程度であるのに対して、CAD/CAM冠の料金は3割負担で6,000円前後です。
- 天然の歯の硬さに近いため、かみに合う歯にダメージを与えにくい。
- 治療期間を短縮できる。
CAD/CAM冠のデメリット
- CAD/CAM冠で使われているプラスチックは硬めではありますが、使っているうちに磨耗が生じます。そのため歯ぎしりや食いしばりが強い方には向きません。
- CAD/CAM冠は、銀歯のかぶせ物に比べてはずれやすい面があります。
- 保険外治療のセラミックほど色のバリエーションがなく、段々と表面が劣化し、艶がなくなっていきます。
特長を知って、良い選択を
CAD/CAM冠は、同じ保険適用の金属の歯に比べ「色が白い」という大きな特徴があります。また、金属アレルギーの心配がないことも大きなメリットです。
「セラミックの方がキレイで長持ちしそう」と感じることも多いようですが、ネックとなるのはその費用です。「セラミックを選びたいけど今はそこまでお金をかけられないのでCAD/CAM冠にする」という方は少なくありません。
費用は出せるけど「同じ白い歯なら安い方で…」と考えているようでしたら、一度その違いを相談して頂いた方が良いかもしれません。咬み合わせや咬合力によっては、白い歯より銀歯、セラミックより金の方が良い場合もあります。
どの被せ物にするかお悩みの方は、それぞれの種類の特徴をよく理解した上で、歯科医師と相談し、ご検討いただければと思います。
当院の院長は歯科医師・歯科技工士のダブルライセンスで診療にあたっていますので、希望や状況に合わせて最良の提案ができます。